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1.インスタントラーメンの原材料


”めん”の原材料


インスタントラーメンには小麦粉やそば粉をはじめとして、油脂などの原材料が
使われています。


(1)小麦粉は準強力粉が適している

 小麦粉は、たんぱく質の含有量により、強力粉、準強力粉、中力粉及び薄力粉に
わけられます。さらに外国産か内地産かによっても、品質特性に差異があります。
インスタントラーメンには通常、準強力粉が多く用いられていますが、製品の
特徴を出すため、他のものを使われます。即席中華めんには下表のような
成分構成の小麦粉が適してるとされています。



中華めんに適した小麦粉の一例
成分水分たんぱく質脂質炭水化物灰分
量(%)13.710.52.872.6
0.4


 小麦粉は製品の品質に最も影響を与える主原料なので、入荷時に成分分析などに
よって、その品質が定められた条件に合っているかどうかが検査されます。
また、小麦粉は「生きている」といわれるように、保管状態によっては品質に変化が
起こることもあるため、適性管理の整備が整った倉庫に保管し、特に湿気を
避けるように管理されています。



(2)そば粉は香気の高い新鮮な粉を使用

 取り扱いは小麦粉と同じですが、そば粉の場合、とくに香気が変化しやすいため
大量の備蓄は避けるように管理されています。
そば粉はそばの実を挽砕して作りますが、その成分の一例は次のように
なります。


そば粉の成分の一例

成分水分たんぱく質脂質炭水化物灰分
重量(%)13.510.32.771.51.6




中華めんのめん類は、どうして黄色なの?

 本来、小麦粉に含まれているフラボノイド系色素に”かんすい”が作用すると黄色に
発色することから、この色調が即席中華めんの特有の色となっています。
 中華即席めんでは、このかんすいのみで黄色に発色させるほど使用量を増加させる
と、即席中華めんの製造工程における加熱処理によって、黄色が褐色に変化し、香味
も悪くなるという製造面の制約があります。



それゆえ必要最小限しか使用しません。


 したがって発色の具合を補い、かつ色調の均質化を図るため、くちなしの実や
サフラワーの花に含まれる黄色い色素、あるいはデュナリエラという藻類から抽出
する黄色のカロテン色素、つまり天然のものを用いています。





(3)こね水の調整

 製めんするときに小麦粉をこねる水溶液の配合割合を調整します。
こね水の主体となるのは、「水」「食塩」「かんすい」などです。


(4)使用水の衛生管理

 水は、こね水、味付けなどに使用されますが、食品衛生法により水道水以外の
水を使用する場合は、水道法第4条に適合する飲用適の水質で、1年に1回以上
水質検査を実施しなければなりません。
また、水道水を使用する場合でも、貯水タンクや給水管などを点検し、1年に
1回以上の清掃が義務づけられ、水の汚染を防止する対策が講じられています。


中華めんの”こし”をつくる「かんすい」


(1)2000年も昔から使われている「かんすい」(水または鹹水)

豆腐を作るのにニガリが必要なように、中華めんを作るのに欠かせないのが
「かんすい」です。<br />
かんすいは、中国では古くからめん類をはじめ、まんじゅうの皮などに固有の
風味や食感を出すために用いられていきました。その歴史は古く、2000年元来とも
いわれ、人間が使い始めてから実に長い歳月を経ています。



(2)かんすいの成分と安全性

 かんすいは、元来中国奥地の鹹水(塩湖)といわれる炭酸ナトリウムなどを含む
湖水のことですが、「草、木、根の灰を溶かした水」や「アルカリ性の地下水や湧き水」
などもかんすいとして、中華めん独特の”こし”といった粘弾性を作り出すために
使われていました。

日本でその成分が確認されたのは大正時代のことです。

 現在では、ナトリウムやカリウムの炭酸塩とリン酸塩を原料にして、そのうちの
1種類か2種類以上の混合物を”かんすい”といっています。

 かんすいには、食品衛生法によって、性状や純度などを規定した成分規格が
定められています。また、製造にあたっては衛生管理者の専任が義務づけられ、
製造されるロット単位ごとに厚生労働大臣の指定する検査機関で検査を行い、
合格したものには日本食品添加物協会の発行する合格証を貼付することに
なっています。
その検査合格を示すラベルで封印された製品でなければ、中華めん類には
使用できない制度となっているのです。



(3)かんすいの効用

 即席めんにとってかんすいは、中華めんの”こし”をつける他にも次のような
効用があります。


①中華めん特有の風味をつける。
②めんの風味と中華スープの味が複合し、調理品としての嗜好性をより高める
③めんのゆで具合や伸び具合の調和を良くする。


 中華スタイルのインスタントラーメン1食分(100g)に使用されるかんすいの量は、
およそ0.1~0.2g(非油揚げめんは0.3~0.6g)程度と微量です。
この使用量は、消費者の嗜好に合わせた風味を作り出すために適する量です。



(4)中華めんに使用される「かんすい」の量

 中華スタイルのインスタントラーメン1食分(100g)に使用されるかんすいの量は、
およそ0.1~0.2g(非油揚げめんは0.3~0.6g)程度と微量です。
この使用量は、消費者の嗜好に合わせた風味を作り出すために適する量です。





添付調味料(スープ)・かやくの原材料

添付調味料(スープ)の原材料

 主な添付調味料(スープ)の構成材料は下表のようになります。(スープ別添めん用)。
この他、アミノ酸などの調味料や酸味料で風味整えたり、粉末スープの場合は肉、魚、
野菜、果実、きのこ、のりなどの乾燥粉末もブレンドします。



基本調味料食塩、しょうゆ、みそ、ソース、糖類、食酢、食用油など。
天然エキス鶏、豚などの畜産(鶏=ガラ、手羽先、足など 
豚=膝関節、あばら骨、骨、足など)
魚介(かつお節、さば節、煮干など)、昆布、
野菜(にんじん、たまねぎなど)など
乾燥粉末畜肉、魚介、果実、きのこ、のりなど
香辛料こしょう、オールスパイス、ローリエ、にんにく、しょうが、唐辛子など

かやくの原材料

 インスタントラーメンの具には、下記のようにあらゆる食材が使われています。
昭和46年にカップめんが登場してから急速に進歩と多様化を遂げ、成長してきました。


                【区 分】              【具 材】

か や く
食肉豚肉、牛肉、鶏肉など
魚介・海藻類えび、かに、たこ、イカ、アサリ、のり、わかめ、昆布など
野菜類たまねぎ、にら、キャベツ、ハクサイ、大根、にんじん、ごぼう、
ほうれん草、ピーマン、三つ葉、かぼちゃ、たけのこ、ねぎ、
チンゲンサイ、ハナニラ、パセリ、シソ、ウメボシ、ひめたけ等
きのこ類しいたけ、きくらげ、しめじ、マッシュルーム、なめこ等
穀類・豆腐・いも類スイートコーン、モヤシ、グリーンピース、絹さや、
あずき、じゃがいも、さといも等
その他豚肉、ハム、ソーセージ、ベーコン、ハンバーグ、かまぼこ、
ナルト、削り節、紅しょうが、メンマ、もち、天ぷら、ワンタン、
油揚げ、クルトン、卵、スクランブルエッグ、卵フレーク、
メンタイコ等
穀類・豆腐・いも類スイートコーン、モヤシ、グリーンピース、絹さや、
あずき、じゃがいも、さといも等
やくみねぎ、ごま、青のり、紅しょうが、七味唐辛子など