あります。
保存性
保存性を高める加工技術
インスタントラーメンを構成するめん、調味料、かやくについてはその保存性を
高めるため、主に次のような加工技術が施されています。
①乾燥処理や高温殺菌処理で腐敗の防止
めん、粉末状スープおよび乾燥かやくの水分は、多いもので約14%です。
(生タイプ即席めんを除く)
水分活性が0.65以下のため、腐敗などの変質が起こる心配はありません。
水分活性というのは、微生物が成育に利用できる水のことなので、水分活性を
低下させることで、微生物の成育を抑制することができます。
また、液体スープや水分含有量の多いかやくの場合でも、包装前または包装後に
高温の加熱殺菌処理工程を経ることにより、変敗を防止しています。
②水分活性やpHなどによる静菌効果
液体やペースト状のスープ、あるいは水分含有量の多いかやくは、必要に応じ
濃縮して水分の含有率を低くする、または風味を損なわない程度に食塩、調味料、
糖類を溶解させるなどの手段により、水分活性が低くなるように調整されています。
またpHの調整やアルコール添加による静菌効果も考慮されます。
③油脂の酸化防止
成分として油脂を含む油揚げめんや、添付油脂、チャーシューなどのかやくは、
なるべく酸化しにくい原料油脂や素材を選択し、加工工程では過度の加熱を
避けるなどにより油脂劣化を抑えています。
さらに念のため酸化防止効果のある天然ビタミンEを加える場合も多いです。
④容器や包装材を吟味
上記の加工技術をより効果的なものにするため、インスタントラーメンの容器・包装
およびスープやかやくの包材についても、湿気、酸素、光線などの遮断性が高く、
耐熱性、耐油性耐圧強度に優れたものが採用され、さらに保存性を高めています。
インスタントラーメンの保存方法
インスタントラーメンをおいしく楽しむために、上手な保管を心がけましょう。
①直射日光をさける
インスタントラーメンに含まれている油は、保管されている状況や時間の経過に
よって、酸化の度合いが違ってきます。酸化の進行を抑えるためにも直射日光の
当たらない場所を選んで保存するのが最適です。
②常温で保管する
台所のコンロや、暖房機の近いところなどに長時間放置しておくと、温度の上昇に
よって品質が劣化するおそれがあります。
保管する場合には、常温で保存することが品質を守る上での大切なポイントです。