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1.即席カップめんの容器


容器に関するJAS規格

 インスタントラーメンの多様化に伴い、その包装形態及び包装材料も
多岐にわたっています。包装形態は、大別すると「袋めん」と
容器に入った「カップめん」とに分類されます。
「カップめん」の容器はJAS規格によって、容器の破損または変形により、
熱湯などの内容物がこぼれないものと規定されています。
したがって、容器も含めて検査に合格しなければ、JASマークは

つかないのです。



容器・調理器・食器の3機能を満たす容器資材

 安全性の高い容器資材は、主なポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン
ですが、ポリエチレンをコーティングした紙なども使われています。
その材質構成は以下の通りですが、容器・調理器・食器としての機能を
満たすため、長年にわたって種々の研究が積み重ねられています。


①ポリスチレンビーズ(※1)からの発泡成型によるもの。

②HIPS(耐衝撃性ポリスチレン)とPSP(ポリスチレンペーパー※2)の
ラミネートシールを加熱成型したもの。

③ポリエチレンをコーティングした紙製カップ容器の外側を紙製コルゲート(※3)
で巻いたもの。

④ポリプロピレンの射出成形したもの。

⑤ポリエチレンを両面にラミネートした原紙をもちい、発泡紙容器で外面を
発泡させたもの。


※1.ポリスチレンビーズ…ポリスチレンに、発泡ガス(※4)を含漬させた
粒状のビーズ。

※2.PSPシート・・・発泡ポリスチレンの板状シート。

※3.紙製コルゲート・・・ダンボール紙などの内側に見られる、波状の紙。

※4.発泡ガス・・・ブタンガス、ペンタンガスを使用するもの、フロンガスは
使っていません。



容器以外の材質について

①アルミキャップ・・・容器の蓋の材料としては、紙とポリエチレンの間にアルミ箔を
はり合わせたものが主として使用され、容器との接着には熱シール材(熱によって
密封する)が使われています。

②外装フィルム・・・外装には強度があり、透明感の良いポリプロピレンの収縮性
フィルムが多く使用されています。このフィルムを熱風で収縮し、容器に密着させる
ことによって防湿効果が高まり、容器を衛生的に保つことが可能になります。




インスタントラーメンの容器・包装材の安全性について


 即席めんに使用されている容器・包装材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレンなどの合成樹脂のもののほか、ポリエチレンをコーティングした
紙も使われています。
これらについては、食品衛生法により「食品用合成樹脂製器具及び容器包装の
規格(昭和57年2月厚生省告示第20号)」が定められています。
規格の内容は、材質試験と溶出試験からなり、これに合格しないものは、食品用に
用いてはならないとされています。


 また、合成樹脂の添加剤については、ポリオレフィン等合成樹脂製食器容器
包装等に関する自主規制基準(ポリオレフィン等衛生協議会)があり、個々の
樹脂別に使用できる物質名と添加量が規制されています。
 このように食品衛生法の規格を遵守しつつ、ポリオレフィン等衛生協議会の
自主規制基準に記載された添加物を使用して製造したものには、規格基準に
適合していることを示すPLマークがつけられています。
このマークの付いている製品は、定期的に市場から抜取り検査されているので、
即席めん類に使用している容器・包装の安全性も十分保証されています。